新刊について
昨年末から制作していた新刊『康綺堂の推察ノート Vol.2』がついに完成した。テーマは「岡-村探偵小説案内」。横溝正史『本陣殺人事件』を中心に、作中やエッセイで言及されている国内外の探偵小説についての紹介と考察・小話で構成された一冊となった。
『蝶々殺人事件』や『探偵小説』『神楽太夫』等の戦後短篇について触れられなかったのが残念だが、それは『岡-村探偵小説案内Ⅱ(仮)』へのお楽しみとして。
初売りは11月20日(日)開催の文学フリマ東京にて。えかてさんのサークル「柘榴石」(文フリ東京T-30)にて委託販売となります。
boothでの通販開始は11月20日18時~を予定、どうぞよろしくお願い致します。
※現時点での予約・お取り置き等は受け付けておりません。ご了承ください。
内容としては……boothに掲載した文章を少し加筆して……
『秋の日の邂逅』
金田一耕助と「私」、横溝正史と江戸川乱歩、疎開宅での二つの邂逅について
『畦道での連想 岡-村探偵小説案内(連想編)』
横溝正史『本陣殺人事件』冒頭で連想される密室を扱った探偵小説を紹介
『一柳三郎の本棚 岡-村探偵小説案内(本棚編)』
本棚のシーンで言及された作家や叢書から見る事件当時の探偵小説事情を考察
『誤解の研究 岡-村探偵小説案内(真相編) 』
『本陣殺人事件』のトリックと元になった海外探偵小説を巡る横溝正史の発言に関する考察。書き下ろし。
『ディクスン・カーの島』
実は『本陣殺人事件』以上に影響が濃いと思われる『獄門島』とカー作品についての小話。書き下ろし。
『箱の中には--個人的『びっくり箱殺人事件』メモ 』
異色の名作『びっくり箱殺人事件』を関連作品と共に読む
『井戸の底を覗く--個人的『車井戸はなぜ軋る』メモ』
名作『車井戸はなぜ軋る』人物と真理描写について、そして本作における金田一耕助の立ち位置についての考察
私個人としては長文の書き下ろしとなった『誤解の研究』には思い入れが深いです。だいぶ悩んだ。さんざん悩みました。エッセイ集や各種資料をあたり考えを巡らせ可能な限りまとめてみました。
じっくり練ったこの一冊、お楽しみいただければ幸いです。
販売の際にはどうぞよろしくお願い致します。